さかなの調理

ゲームの感想をだらだら書きます

ときめきメモリアル4 響野里澄 感想


響野さん、ときメモ4の中では星川さん皐月先輩に並ぶ癖のないヒロインなのでは…? 良い意味で期待を裏切らないシナリオで安心感がすごかった。


第一印象としては見た目が某ファーストチルドレンを連想させすぎるのでキャラデザもうちょい頑張ってという感じだったんだけれども(中身も基本は遠からずだし)、特に複雑な事情のない天然系クーデレなので気負わずに攻略できたのは良かった。ときメモは重い設定持ちの子とそうじゃない子を混ぜてくれるところがいいですね。


すでにプロの作曲家として仕事をしているほどの天才だが、それ故に人並みの高校生からは距離のある響野さんが学校賛歌を書けるのか? というのが彼女のシナリオの核で、好感度次第では1年の2学期には依頼を受けて完成するのが3年夏というほどの難産になる。この手の話だと主人公の助けを借りながら学校行事なり部活なりに参加してそれを通じて友達もできて賛歌完成…という流れが定番かなと思うのだが(鍵でよくみるやつ)、響野さんは最後まで(主人公以外)特に親しい人のいないまま賛歌を作ることになる。

みんなでワイワイする以外にも高校生活の形はあるということを認めてくれているようなところがあって私はこのストーリーが好きだった。まあ響野さんも(実質)彼氏ができたから学校が充実してるので厳密にいえばぼっち充ではないのだが、それでも「学校賛歌とは言えないかも知れません」と言った上でありったけの気持ちを込めた曲にするという辺りが彼女の不器用さを示してて良い。

響野さんはときめいても服や態度がそれほどガラッと変わる訳ではなく、本質は同じなんだけど雰囲気や価値観がどんどん柔らかくなるという方向で変化していく子で、だからこそ普通→友好でヘッドホンが取れることの意味の大きさが心にしみる。あと人によって好みの分かれるところだとは思うんだけど私は響野さんは良い意味でファッションセンスのない子だと思う。彼女らしさにあふれてて愛でられるダサさ。


デートはわりといろいろ行ったんだけど、夢大陸のペンギンがウケなかったのがなぜか一際印象に残っている。キャラ考えたらまあ妥当だなんだけどピクサーとか大好きな人間なので勝手にショックを受けた。

いろんな音が聞こえるからというので繁華街もそれなりに楽しんでたのと、縁日のミニゲーム説明でぼっち炸裂してたのも印象的。ミニゲームのルール説明を全員読んでくれるのはほんと良システム。

主人公を半ばほっといて音に没入してたのがマフラー分け合いに代表される距離感の近すぎるデレデレ展開に一転するので、良くも悪くもまじめにデートしてくれる子が多い本作ではいいアクセントだった。

芸術キャラの宿命だけど、学校賛歌と告白のときの曲が良かったかといわれるとプロとしての作曲ではないという留保つきでも微妙…って感じだった。あとCGスライドショーの演出もいまいち…

でも絶対音感持ちで楽器演奏は一通りでき作曲の天才だけど自分で歌うのは苦手、という設定じたいはわりとリアルで好きだった。


中の人は1クールごとに代表作ができるような破竹の活躍を当時からされてる方だけど、それでも2009年となると初々しいなあと思った。エンジェルビーツより前だもんな…バンナムに魂を売った者としてはディアリースターズと同年なのも感慨深い。後の展開の差も含めて…(血涙) 


全体的に攻略対象としてすごくよくできてる子だと思った。私は自立型で気は強いんだけどどうも素直に甘えられないタイプの子が好きなので響野さんは好みとは少し離れていたのですが、それでも楽しく遊べました。万人向けだと思う。


ときメモ4内の次は意外と本家では珍しい? 不良少女の龍光寺さんですが、いくつか別のゲームに寄り道しているのでそっちの感想が先になりそうです。