さかなの調理

ゲームの感想をだらだら書きます

わがままファッションガールズモード よくばり宣言! 感想


セレクトショップの店長になってお客さんと自分自身をコーディネートする3DSの着せ替えゲーム。DSソフトの前作を以前遊んでたので買ったのですが、正統進化してて面白かった。

お洒落以外に限られた予算の中でアイテムを仕入れていかにうまく売るかのやりくりとアイテムそのもののコレクションも楽しめるゲーム。あと来店する人達のキャラが濃い。

以下感想ですが、筆者のファッション知識はミキペディアを読まなくてもだいたいの用語がわかる程度なので間違いなどあったらすみません(特にメンズ)。


内装はロック→ガーリーと来て今はストリートでやってますが、あまり専門店っぽくしたくないので仕入れは満遍なく、店長さんには全イメージを日替わりで着せています。毎日コンテスト行ってるとセレブ客ばかりになるのでどうにかして減らそうと試行錯誤してるところ。

前作より赤文字系(ガーリー、フェミニン)の比重が増えているのがリアルなのですが、個人的に青文字系の自由奔放さを好んでいることもあって奇抜で攻めてる服を選んでるときのほうが楽しいです。トルテポルテは組み合わせ難しいけどハマったとき気持ち良い。

思ったより新しいアイテムが多く、オールインワン、ハイウエストのボトムスやジレなどが増えていてリアルの流行を抑えてる(ガウチョやワイドパンツがほぼないのも2012年って感じ)。赤文字系ブランドに加え続投のアズウサ(クール系)にユニクロ系、姫ギャル辺りは現実に着ることを考えても無理のないデザインが多くなっていたと思います。逆にサイケやパンクなど比較的ニッチなジャンルは前作に近い感じでした。

基本どのブランドも改良されてたのですが、唯一残念だったのはロリータ・ゴスロリのパニエの膨らみが抑えられてて、コート着ると潰れるようになっていたこと。前作のワイヤー入ってそうなデザインが好きだったので…うさぎ鞄をはじめ本作初出のアイテムも可愛いけど。

男性もコーディネートできるようになってて普通に男性客が来るのですが、こっちは発展途上感があった。カジュアルとストリートもアイテム数限られてるのになぜこれをチョイスする…? というものはちらほらありましたが、特にフォーマルを扱ってるセレブブランドのアイテムに意図的に成金っぽくしてるように見えるものが多かったのが残念でした。北野映画のヤクザみたいな格好に喜ぶ客を見ると微妙な気持ちになる。


このゲームは主人公が接客や自分のお洒落を通じて得た「ハッピー」によって作品世界の月が満ち、満月になるたびに展示会に新しいブランドが入ったり店の最大在庫数が拡大したりコスメサロンに化粧品が増えたり…などの「いいこと」が起こるというシステムです。前作ではオーナーの屋敷に出向く必要のあった在庫拡大なども全て月の力で行われ、完全に主人公を中心に世界が回っているのはちょっと面白い。

ゲーム内時間があり、店で働いたり美容院行ったりカフェに顔出したり…と行動をするたびに時間が経過し、深夜になって1日が終わると月が出て次の朝というシステムなのですが、月が満ちるエフェクトは毎晩ある上に飛ばせず、ロードの長さもあってテンポは良くないです。あと接客でもキャラの動きがいちいちオーバーだったり、ドンピシャなアイテムを選ぶと試着室で踊り出したりするのでサクサク進行できない。これらはシリーズの味といえるのですが、毎度毎度だとイラッとすることもあるのでスキップか簡易化する機能があれば良かったなあと思う。


3Dグラフィックも綺麗だし何よりみんなスタイルが良すぎる。体型差分は身長のみでコーディネートに影響することはなく街じゅうの人が全員モデル体型です。腰は高くお尻が小さくて見せびらかしたくなるような美脚。そりゃお洒落楽しいよな……

私はミニスカやワンピースにカラーストッキングやタイツを合わせてブーツ履かせるのが異常に好きなので特に脚の綺麗さには感動しました。脚長にしか許されないコーディネートやで…

男性もキャプ翼を思い出すような等身。ただ女性に比べると洗練されてないというか、頭と胸板と脚のバランスが良くない気がする(男性の体型が自分の好みじゃないのも大きいですが……)。

あと4種類あるムービーの出来がどれも良く、特に店をリニューアルしたときに出てくる映像は駅のデジタルサイネージで流れてても不思議じゃないような都会感が溢れていて好きでした。


接客はカップルや友達など二人連れで来る人が増えていて会話のバリエーションもそれなりにあります。買い物後に荷物を分担して持ってるかどうかとか細かい仕草でふたりの関係が読めるのは面白い。

お客さんがライブや遊園地などに遊びに誘ってくれるイベントがあって楽しいですが、相手が二人連れの場合だと精算時に「このあとは喫茶店に行こう」とか会話してるのを聞いて誘われてもないのにその場所に出向くというストーカーめいた行動に走ることがあるのは心配になります。デートしてるカップルに予告なく絡みに行くのはマジで正気か??と思った。

この外出イベントは発生頻度の割に会話パターンが少なく、同じくだりを何度も見ることになるので飽きます。客との記念撮影も自動でSDカードにスクショが増えて正直面倒なのでやり込み出すと約束ブッチがデフォになってくる……

たまにある主要NPCとのイベントはしっかり作り込まれてて楽しいです。個人的にはライバルのテツコと関西弁ガールのハナエさんが好き。

前作から引き続き、ナチュラルに上から目線だけどカラッと気持ち良い性格の人とか、慇懃無礼だけどコーディネートに感動すると表情豊かにデレてくれる人とか、お客さんはめんどくさいんだけど接客しがいのある感じで良い塩梅だった。

ただ、セレブ周りは全体的にキャラ付けがステレオタイプな「悪気なく高飛車なお金持ち」だったのは気になった。

セレブじゃないどころかむしろ貧乏寄りだけど服を着るのが1番の楽しみでお金かけてる人とか、普段は着ないけど友達の結婚式があって…とか、ハイブラ求めてる人にも色んな形があると思うし、おしゃれ面白い! に尽きるゲームとしては窮屈な描写だと感じました。こういう健全さの端々にある毒が任天堂らしいし作品の味にもなってるので微妙なところではあるんですが。


一般客はもちろん主要NPCにほぼ全員パートナー的存在の異性が設定されていて、外出イベントの中には客どうしをくっつけるキューピッド役になるものまであるという恐るべきカプ厨ゲームでもある本作ですが、主人公本人には恋愛のチャンスがないです。救済要素がアプデで追加された「夢彼氏」(自分の理想の男性アバターを作って服着せてデートするという夢を見るシステム)なのがヤベエな…という感じですが、客を追いかけ回す店長って時点でだいぶ地雷臭するのである意味リアル……?

田舎から出てきて主人公にコーディネートされることで垢抜け、ふたりで食事しましょうよ〜! とか言ってくるテッペイくんがテツコとの惚気話してきたときはさすがに笑ったけど。家具屋の店長(名前忘れた)もミキとデキてるっぽいのに二人でディナー誘ってくるし本当に店長さんって恋愛対象外なんだな……と妙な感慨がありました。

真面目な話宅急便のお兄さんが1番相手役として現実的なところでしょうか。周りがみんなオサレ職業どうしでくっついてる中自分と違う世界に生きる人を選ぶ展開もなかなかアツいと思う。


最近ストーリーがガチガチのゲームばかりしてたので、好きなようにできる自由さが非常に刺激的でした。難易度もちょうど良いし、やり込み甲斐のある楽しい作品です。

コンテスト全制覇したのでとりあえず一区切りですが、気が向いたときに気軽に遊びたいと思います。